舞台「少年たち」(日生劇場/13:00〜)

少年たちを見てきました。
感想は追記から。


去年のものはDVDでしか見ていないので、今回が私にとっての初生「少年たち」だったのですが、初見の感想は「なんか……デジャヴ……」でした。そして、その既視感の正体は、すぐに分かりました。


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これだおね。


そう、ざわ……ざわ……でお馴染み福本伸行先生の作品「無頼伝 涯」です。Wikipediaによると話の筋は
>冤罪に陥れられた少年・工藤涯の自らの無実の証明と更生施設「人間学園」からの脱獄までの闘い、真の自由と自立を追い求める姿を描く。
とのことで、これ何て少年たち?って感じですよね。


特に「ああ…福本の世界だ……」と思ったのは、看守長がトラックで壁に突っ込んでいくシーンでした。狂った看守長が、涎とか汗とか色々アイドル的に出しちゃいけないもので顔じゅうをてからせて(いやごめんイメージです。でもそのくらいあのさなぴーは「狂気」そのものだった)、ピストルをパンパン撃ちながらトラックを暴走させるその図をネットスラングで簡潔に表すならば、正に「マジキチ」でした。カイジの焼き土下座を見たときの衝撃に近い。なんか凄い壮絶なのにインパクトありすぎて最早ギャグにしか見えないところとか、非常に福本っぽかったです。


っていう第一印象はまあどうでもよくてですね、以下はちょっと真面目な感想。


去年の「少年たち」と比べると、どうしてもなんか弱かったなーと思ってしまう、というのが正直な感想です。何が弱かったかって、多分「関係性」。

「少年たち」は、キャストの役名が本名と同じです。一応「このキャラにはこんなバックボーン(罪を犯した過去とか、家族構成とか)があって、こういう役どころで」という最低限の設定はあるけれど、そのほかキャラクタの性格なんかは割と本人たちの性格そのままですよね。「名は体を表す」と言いますが、まあそのとおりで、役名が本名と同じってことは、舞台の彼らは割と素の彼らに近かったんじゃないかと思うんです。(とっつーやさなぴーは流石に違うけど)
だから、役の上に本人たちの関係性も透けて見えてしまうというか、どうしても本人たちを重ねて見ちゃうんだけど、そうしたときに赤組(A.B.C-Z)、青組(関ジュ)それぞれの関係性、また個々の関係性は見えても、肝心の「赤組VS青組」という要素がすっごく弱かった気がしてしまうんです。それは多分、「A.B.C-Z」と「関ジュ選抜」っていうのが、まるで釣り合わないものだから。関東VS関西っていう構図にしたかったのかも知れないけれど、海老は関東Jr.のなかのひとつのユニットな訳で、それと関西Jr.から選抜されてきた5人が対等であるはずないじゃないですか。

その点、去年は海老VSキスマイという構図がしっかり見えました。海老とキスマイは関東Jr.の2大巨頭で、それ以前に合同コンをやったりしてる過去もあるので、見る側にも「海老とキスマイは好敵手」っていう概念があった上での「少年たち」だったから、だと思います。

今年の少年たちはそれがちょっと残念だったかな。


でも、その他は言うことないくらい面白かったです!
私は、11日のあと20日にも観に行ったんですけど、11日よりも目に見えてカンパニーの仲が良くなっているのが分かったし、ふみとが一日いちにち怪我を治して出演できる時間が増えていくのも嬉しかった。
関西勢のアドリブやダンスのクオリティはやっぱりものすごかったし(特に神ちゃんとあきんちょ!この2人はズバ抜けて凄かったなあ。やっぱり関西って強いよね)、関ジュのパフォーマンスを生でじっくり見る機会ってなかなか無いので、とっても嬉しかったです。


そして、今回私が「こいつ……やりよる!」と思ったのは、ふまたんとヒロキ。
ふまたんはまあ言うまでもなく、他のBIメンがサマリーやってるなかひとりだけで日生に急遽出演するはめになって、しかも「ストーリーテラー」という役どころで、正直無くてもなんとかなった役。でも、ふまたんは短期間でその役に意味をきちんと見出して、自分の役目を真摯に全うしようとしていた。今まで、BIのふまたんしか見たことがなかったので、あの姿は意外だったし、とても格好良かった。
ヒロキはまあ可愛くて可愛くて。笑
シゲオカとトツカが逃げる時に、言い合いをしていたら看守たち(のえる・みゅうと・ヒロキ)に見つかる、というシーンがあるのですが、そこで毎回ヒロキが絶妙なアドリブをかましてきてw

シゲオカ「トツカはハシモトのこと愛してんねやろ?!」(と、のえるに向かって)
のえる「愛…か……」(みゅうとの方を向いて)
みゅうと「愛…か……」(ヒロキの方を向いて)
ヒロキ「○○○」(オチ)

っていう流れだったんだけど、11日はヒロキ「愛、か…」と言いつつ足元の小石を蹴るようなマイムw、20日は「アイスの実☆」(手にアイスの実を持っているようなポーズで)でした。昭和の漫画の主人公から江口愛実にまで幅広く魅せるヒロキのアドリブ!!(拍手)
正直、ヒロキって京安ラインのなかでもだいぶぽわぽわしている子だなあくらいの印象しかなかったのですが(だって滝ちゃんねるの呟きも天然満載だし)、かなり見る目が変わりました。ヒロキって…未知だね……!

あと気になったのはあきおのペラッペラの身体w
ショータイムのタキシードが似合わないこと似合わないことww
はるはる・あきお辺りのJr.ってなかなか個として識別することが今までなかったので、それも含めていい機会だったなあと思います。これから注目してみよう!



ジャニーズ事務所はおじいちゃんが「日本でもウエストサイドストーリーをやりたい!」と思って立ち上げた事務所、らしいです。だから、ジャニーズの舞台はとにかくVSモノが多い。サマリーも革命もそうですよね。トンチキな演出やフライング等で「イロモノ舞台」と思われることが多いジャニーズ舞台ですが、おじいちゃんが伝えたいことは多分至ってシンプル。だからこそ、この「少年たち」も、その「VS」の要素を無くさないように受け継いでいってほしいなあ思いました。