舞台「JOHNNYS' 2020 WORLD」初見で思ったいろいろメモ(2013/12/23・17:00~・帝国劇場)

やっとトニワ観てきました~!!
色々と考えたこと・感じたこと・疑問に思ったことがあったのでメモ。

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<1幕>

  • 薮P「俺の考えを理解してくれるのはこいつらだけだ、A.B.C-Z」みたいな紹介がコワイ。

えび座見た時に感じた「おじいちゃんは自分が死んだあと舞台面ではえびに若いのを全面的に引っ張っていってほしいんだろうなぁ」が確信に変わった瞬間。

  • 「悲劇」の描き方がより生々しくなった。

具体的には、12ヶ月レビューもどきの5月・ヒンデンブルグ号、地面で怪我して苦しんでるJr.が増えた(去年は確かやまちゃんひとりだけがフライングしながら苦しんでたはず)。あと6,7月のテーマが太平洋戦争になって、兵士が銃で打ち合う場面や軍隊的なマスゲームの場面が結構長いこと続く。
その他は1月が水太鼓、2月が変面、3月が桜、4月がタイタニック号事件、8月が終戦、9,10月がオリンピック、11月がシェイクスピア、12月がマクベス。内訳は幸せ:悲劇=6:6って感じか~。去年は義経、源平合戦を「悲劇」にカウントしたとしても内訳は幸せ:悲劇=7:5くらいだから、生々しくなっただけじゃなく量そのものも増えてるんだね。

  • シェークスピアの動きがかなり制限されてる。

去年はステージセットがめまぐるしく変わったり、衣装の早替えもJr.が全面的に手伝ったりしてくれてたので、役者は芝居だけに集中すればいい感じだったんだけど、今年はパックの前までは空中に吊り下げられたステージの上にいなきゃいけないから、動きがかなり制限される。衣装も自分ひとりで早替えしなきゃいけないし、台詞の言い方と表情だけで如何に違いを見せれるかってとこが結構難しそう。早替えも台詞のタイミングに合わせてやらないといけないしね~。

これはちょっと自分の中で重要なファクターなので丁寧に書く。

まず、去年の「忠臣蔵」、今年の「マクベス」、厳密にはどちらも史実を元にした創作なんだけど、史実の度合いが違う。「忠臣蔵」は元禄赤穂事件を(多少の演出は孕みつつ)忠実に描いてるけど、「マクベス」は実在するスコットランド王マクベタッド・マク・フィンレックを“モデルにした”ってだけだし。
だから、去年は現代人のやまちゃんが「忠臣蔵」の世界に飛び込んでめちゃめちゃに荒らしてしまうことが「史実を書き換える」=「歴史が変わってしまう」に違和感無くつながってたわけだけど、今年は「マクベス」の世界に入り込んで荒らしても「史実じゃなくシェイクスピアの創作でしょ」ってことになっちゃう。だからその後のつながりがちょっと弱い。

でも、逆に「マクベス」にして良くなったところもあって。
それは勝利くんが最初から“マクベスの世界の外の人間”で、そんな彼がマクベスに直接手を下したことで「歴史が歪んだ」ことが分かりやすくなったところ。
昨年は薮プロデューサーの作ったお芝居であるはずの「忠臣蔵」が、だんだん本物の史実と融合して、混乱したやまちゃん(お芝居の「忠臣蔵」を演じている最中)が史実(≒台本)と違う動きをする、っていう流れだったから、それが劇中劇の中だけの話なのか、劇そのものに関わってくる話なのかが分かりづらかった。でも今回は、勝利くんは薮Pの劇団の一員だけど「マクベス」にははじめから関わってない外の人間だから、「異物が紛れ込んで混乱を起こす」っていうのが分かりやすくて良いなぁと。去年のも去年ので『ドグラ・マグラ』っぽくて面白かったけど。

それから、勝利くんの起こした混乱が「マクベスを殺す」ってところもなんか耽美的で良かった。だって勝利くんが健人くんを刺し殺すんだよ…まじエロティクスfの世界…中村明日美子せんせい描いてくれ…。

  • 主人公(勝利くん)と薮プロデューサーの関係が変わった。

具体的には薮Pが天に召されるシーン、「俺を置いていくなよ!どうすればいいんだよ!!」って叫んでる勝利くんが、なんだか子どもみたいで居た堪れなかった。これは、昨年主人公を演じたやまちゃんより勝利くんの年齢が幼いというのもあるけど、Sexy ZoneとHey!Say!JUMPの立場も多いに関係あるのかなと思った。やまちゃんと薮くんは同じJUMPのメンバー同士だけど、勝利くんのいるセクゾンはバレーユニっていうくくりにおいてJUMPのすぐ下の後輩に当たるわけだから。こういうふうに、アイドル本人のパーソナリティとかグループの立ち位置とかが芝居を見てる観客に影響を与えるのは、すごくアイドル舞台だなぁと思う。まずそこにアイドルありきというか。逆に、この舞台をジャニーズもセクゾンもJUMPもまったく分からない人が観たら、どういうふうに思うんだろう。


<2幕>

  • 薮くんがひとり一役になった。

昨年の薮くんは、良い舞台を作るためには悲劇を繰り返すことも厭わない狂人「薮プロデューサー」と、そんな薮Pがかかえる劇団の団員「薮ちゃん」という二役を演じていたわけだけど、その違いが曖昧すぎてかなりお客さんを混乱させてた印象がある。でも、今年は薮くんはプロデューサー役だけに徹してるから、上記した「マクベス」のシーンと同じくシンプルで分かりやすくなった。

  • A.B.C-Zが宇宙人になった。

昨年のえびは「元・地球人だけど今は宇宙で暮らしてる」っていう設定だったはずだけど、今年は最初から宇宙人。宇宙人の立場のまま「地球はお前らのせいでヤバイ」とか言い出す。この辺はぶっちゃけ去年のほうが筋が通ってたかな~とか思う。いや、そもそもこの舞台に筋とか求めちゃいけないんだけどさ…。

  • JUMP、えび、セクゾンの三角形からえびとセクゾンの直線になった。

去年は、それぞれ「えび(昔地球に住んでた人たち)=過去」「JUMP(現在地球で生きてる人たち)=現在」「セクゾン(最初から宇宙にいて物語の進行をメタ的に見守る人たち)=未来」っていう三角形がキレイだった。だからこそ2幕冒頭の薮Pの台詞「未来はあやふや、現在は一瞬、信じられるのは過去だけ」みたいな台詞が生きたんだと思う。
でも今年は、「えび(宇宙からずっと昔の地球を見守ってきた人)=過去?」「セクゾン(現在地球で生きてる人たち)=現在」で、関係的には「過去」が「現在」に諭し、教え、みたいな感じ。薮Pも出てくるけどそんなに重要さは感じなくて、三角っていうよりえびとセクゾンの直線関係に見える。
去年セクゾンが担ってた台詞とかはスノーマン辺りが言ってることが多いのかな。でも別にがっつり「未来」的な存在として話に関わってくるわけでもないし、だったらもう2幕の前提をがらっと変えちゃってもいいんじゃないかな~と思ったりした。

でも台詞とかまだ全部ちゃんと噛み砕けてないから、この辺の解釈は来年また変わるかも。

  • 飛行機が宇宙船になった。

宇宙人も死者も連れてみんなで地球に帰るらしいんだけど、おう、そうか…(笑)って思った。宇宙船はなんかシンプルだけどかっこよかったよ。飛行機じゃ宇宙から地球に帰るの無理だってやっと気付いたみたいで良かった…。

  • バルーンが大木になった。

アクエリアスで客席登場してたのがなくなって? ステージで大きな木の形したバルーンが膨らむだけになった。いや、客席登場もしてたのかな。今日は2階後列だったので客席まで見えなかったんだけど…。これも去年のバルーンの演出好きだったから残念だな。でも死角が増えちゃうからこっちのほうがステージ見易くて良いのかな。

  • LGTEで客席にお尻向けなくなった。

これはかなりイイこと!!!
去年は特別公演って感じだったから、スクリーンに映る先輩たちの映像をステージの演者も一緒に見るっていうのもまぁ、分からなくもなかったけど、やっぱりステージに立ってる以上お客さんの方向いてて欲しいし…。


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他にもちょこちょこ変更点はあったんだけど、主に気になったのはこれくらい。
全体的なお祭り感、贅沢感、電波感は去年のほうが好きだったけど、今年は今年でシンプルで分かりやすくて面白いかな。あとノッティナとかLGTEみたいな定番曲は残したまま、他の部分ではその場面に沿った新曲になってて良かった。セクゾンの2ndアルバムに入るのかな~。楽しみ!

勝利くんについて思ったことは他にもいっぱいあって、Twitterにだらだらつぶやいてたんだけど、後で別のエントリーとして上げておこうと思います。