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ミュージカル「テニスの王子様」2ndシーズン 青学VS立海 東京公演の雑感

テニミュ

2ndシーズン最後のテニミュ、東京公演が終わってしまった。
私が行ったのは7/12昼、7/12夜、7/13昼、7/20昼、7/20夜、7/21昼の計6回。次の大阪公演までは10日間空きますし、私が次に観れるのは7/23の仙台公演だと思うので、ここらで一度感じたことを整理しておきます。

(ガッツリネタバレしますのでお気をつけて!)



全国氷帝四天宝寺、と観てきて、私的に今回の立海公演がいちばん初見ではわかりづらい公演でした。理由はいくつかあると思うんだけど、一番大きな理由はバランスの悪さかなぁと思う。ぶっちゃけて言うと、南次郎とリョーマのシーンはもっと短くていいと思うし、シングルス3は演出次第でもっと盛り上げることができると思うんだよなぁ…具体的にどこがどう駄目というのはちょっと分からないんですけど。

でも、南次郎とリョーマのシーンをあれだけ長いことやるのにもたぶん理由があると思うんです。その理由っていうのが、この公演が基本的にずっと「記憶喪失になったリョーマが記憶を取り戻し天衣無縫にたどり着く物語」と「再び青学の時代を作り上げたい青春学園VS三連覇を成し遂げたい立海大付属の戦いの物語」の二本が平行線を辿って進んでいくから。これまで私が見てきた全国氷帝四天宝寺も、個々のこまかいエピソードはたくさんあるにせよ、大枠は「青春学園VSリベンジを果たしたい氷帝(または優勝を狙う四天宝寺)の戦いの物語」という一本道だけだったから。そしてそれを観て、私はテニミュの良さはそのストーリーの単純さにある!と思ったのですよ。

参考:
わたしが思う「ミュージカルテニスの王子様」の面白さ7選 - 箱庭

でも、今回のテニミュは一味違う。「越前リョーマ個人の物語」が入ってる。そして、その物語がまた、原作とはかけ離れた大きな2つのことを想起させる要素を持っているんですよね…。具体的にどういうことかというと、以下の通りです。

記憶喪失→天衣無縫の流れが連想させる「生と死」

まず、一番驚いたし、ちょっと恐怖すら感じたのがこの演出です。この公演のモチーフのひとつは、間違いなく「生と死」。一度死んだ者が生き返るということ。
リョーマは全国大会決勝の前の父親との特訓中、不慮の事故で川に落ちこれまでの記憶を全て失ってしまいます。つまり、これまで「テニスの王子様」として存在していたリョーマはここで一度死んだ。この時の演出がまたヤバくて、川に落ちたあと、まだヒトになる前のリョーマ(人形です)がお母さんのおなかの中にいるっていう演出があるんですよ…。輪廻転生じゃないけど、死ぬこと≒生まれる前、みたいな?循環している。

また、死を連想させる機会はもう一つあります。リョーマが幸村くんから五感を奪われて、目も耳も触覚も機能しなくなったとき。ステージ上は真っ暗で、中央にリョーマが一人。「♪まるで暗闇 何も見えない」から始まる歌を歌うのですが、暗闇=無=死。仲間の助けによって生き返りかけていた(≒記憶を取り戻しかけていた)リョーマが、再びここで殺される。それを助けてくれるのが天才テニスプレイヤーの実父であり、この辺の「絶対に超えられないけどいつかは超えたい偉大な父」って存在は非常に週刊少年ジャンプ的だなと思います。笑

そんなこんなで、二度死んだリョーマくんですが、無事に命を取り戻し、天衣無縫の極みへ。越前リョーマ爆誕の瞬間。他の登場人物たちがこの時リョーマに向かって歌う曲は、なんか讃美歌っぽくすらあります。

ここで面白いのが、原作にはこの「生と死」ってテーマは描かれていないんですよね。もしかしたらそういう意図があったのかもしれないけど、ここまで露骨に描かれてない。「生と死」というテーマは古今東西色んな脚本に描かれていると思うんですけど、なんか非常に「演劇的」なんですよね。「テニミュの良さは原作の再現度が高いところだ」って前にテニミュを作っている側の人が言ってたんですが、最後の最後に舞台の文脈めっちゃ入れてきたやん!?と驚きました。それがいいとか悪いとかではなく、ね。

リョーマのソロバラードから感じる「小越勇輝の物語」

さて、そして次に考えるのが「最後のリョーマソロバラードはリョーマの曲なのか、それとも中の人(小越くん)の曲なのか」ということ。
後日譚として、アメリカに旅立つリョーマがふと思い出したように後ろを振り返り、歌い始めるバラード。
あの日見ていた感動が いまここにある
という歌詞から始まるこの曲ですが、聞けば聞くほど「あの日」というのは小越くんが観た1stシーズンの全国立海公演なんだろうなということがわかります。そしてサビの、
ありがとう 笑ってくれて
ありがとう 叱ってくれて
ありがとう 支えてくれて
ありがとう 愛してくれて

というフレーズ。もちろん、「越前リョーマ」というキャラクターが、これまで関わってきたキャラクターやお客さんに向けて歌っている、という意味もあるんでしょうけど、これも小越くんから他のキャスト、スタッフ、そしてお客さんへのメッセージだというようにも取れる。

2ndの大きな特徴の一つが「キャスト変更が少ない」という点でした。出番の多いリョーマ以外の青学と、例外の跡部様を除けば、4年間という長い間、1人の人間が1つの役と向き合ってきた。それゆえ、2ndはキャラクターとキャストを同一視して見やすかったと思います。春、リョーマがテニス部に入部してから、8月の大会で優勝するまでの5か月間の物語を、おごたんは16歳から20歳までの4年間かけて演じた。もちろん、おごたん以外のキャストだって特別です。が、やっぱり2ndは、おごたんを主人公に据えたプロジェクトだったんだなぁって思います。


リョーマ(主人公)を軸として進んでいく物語が原作に沿ってない(原作にミュージカルオリジナル要素をぶち込みすぎている)って、よく考えてみたらとても奇妙な現象ですね。それだけ、おごたんは「ミュージカルテニスの王子様2ndシーズン」にとって大きな存在だったんだろうな。


……というのが一番語りたかったことで、あとは雑感をちょこちょこ箇条書きにしておきます。


<1幕>
・OP曲、最初は慣れなかったけど何度か聴くとグッとくるスルメ系。ていうか今回の新曲は基本全部スルメ。
しんのすけさんの南次郎より森山さんの南次郎のほうが行儀がいいです。
・「いよいよあいつとの最後の試合か!」男前なまりおの菊丸が好きだ~~~!決意の表情
・♪ウィニングロード、最高のOPすぎる。くるくるキャストが変わるところ、そして短いソロパートで見事にキャラの特性を言い表してるところが良くできたアニメのOPみたいでアガる。自信満々から仁王に首元狙われて「!?」って顔する菊丸が好き
・シングルス3、なぜかしっくりこないのは、なぜだろう…。
・でも♪風林火陰山雷、すごく好きです。ラスサビで真田をとりまく立海レギュラー、かっこいい盆踊りって感じ…(ほめてます)。幸村も何気にベンチで口ずさんでいてときめく…!
・そしてダブルス2はズルすぎますよね、乾と海堂がよぉ…!茫然と立ち尽くす乾に「…ドンマイ、先輩!!!」って声かけるところからスーパー海堂タイム。超かっこいい。そして、怒りに震える海堂を最後の力を振り絞って止める乾の力強い手、瞳を潤ませながら赤也を睨む海堂、舞台の奥で静かに佇む柳、人道に反したことをしまくる赤也をじっと見つめる白石(天使と聖書)……すべてが完璧すぎる!最後、怒りで起き上がれない海堂に、マイク入ってないのに3バルまで聞こえる声で「立て、海堂!!!」って言う桃ちゃんも、たまらん。辛いけど何度も見たい、けど辛い。
・からの最後の立海が強そうすぎて絶望する、最高の1幕ラスト。

<2幕>
・四天日替わり→パーカッションの流れが最高すぎてううう><
・2ndの四天は、広大さん安西くんのダンス、海太のロッキン、碕くんと流司くんのアクロ、杉江くんのブレイキン、とステージ映えする特技を持っている子が多いので、あのパーカッションの間奏は見応えあって最高です。
・♪クローズドアイ、歌詞が直球すぎるし矢田ちゃんが強そうすぎて、私が手塚だったら照れる。
・♪イリュージョン、かっこよいですね!久保田さんの、体の柔らかいところがとても仁王だと思います。
・しかし星花火の「会場にすり鉢状の風が吹いてどうの」って説明が何で一言もないんだ
・ダブルス1も最高ですね…ダブルスって最高ですね!ゴールデンペアの曲、♪誰にも見えない糸のアカペラから始まる演出が(初見向きではなさすぎるけど)あまりにも良い。これが7代目黄金だよな~って何度も思える。
・プラチナの曲もキャッチ―で最高ですね。塩田くんは歌が上手いな…!!
・記憶喪失のリョーマくんが無垢すぎてヤバイ。足を揃えて座る…。

<3幕>
・ライバルズ、裕太と慧くんのやり取りから目が離せなくなってきた。
・ていうか裕太がいい子すぎて本当に…みんなの弟ですね、みん弟ですね…保護したい…。
・♪幸村のテニス2014、V系ソングすぎる件
リョーマが天衣無縫ってからの幸村くんの顔、必死すぎて見てられない…その前の、病気で倒れてからのうめき声も、胸が張り裂けそうになる。幸村くんって得体が知れなくてあんまり好きじゃなかったんだけど、ミュージカルのおかげで好きになった。
・卒業式、菊丸から大石への言葉が男前すぎて泣くんですけど…。まりおの菊丸は、新テニの脱落タイブレークマッチで大石に対してああいうことはしないんだろうな~って思う。という意味で原作の菊丸とは違うのかもしれないけど、でも私はすごく好き。
・次期部長に財前くんがいてくれてすごく嬉しい;;りゅうじくんの話はまた別口でだらだら語れたらと思います。
・財前「帰るで」金ちゃん「えー嫌や!もうちょっといたい!」財前「ほな泊まっていき」金ちゃん「えっ嫌や!待って、光!!」……天才なのか…。
・そのあとの伊武っちの日替わりコメントのクオリティが高すぎて毎回たまりません。桃ちゃんのツッコミもいい味出してる。

・「勝負だ!」から始まる♪THIS IS THE~、本当に本当に素晴らしいアッパーソングですね!とっても尊い…ドリライでは今回出てない他のキャラクターも、全員で歌ってほしいなぁ…。
・♪鎬を削る者達、1stではライバルズとかが歌っていたんだろうか。一部だけ切り取って立海+ライバルズで。いい曲なので全部聴けなくて残念ですが「クオリティはエクセレント!」ってフレーズすごく立海に似合うね。プライド高そうでかっこいい。

・新アンコール曲。「♪軋むテニスシューズの音を覚えていてね」から始まる歌詞が、2ndの終わりを物語っていてとても寂しい。でも、サビの「♪がんばれ 負けるな 必ず勝て」直球の応援ソングでとても最高です。あと振りが簡単すぎてつい手拍子じゃなくて振りコピしちゃう。そしてC&Rは難易度高め。