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箱庭で夢見る少年たち

私のえび座も残すところあと1回になってしまいました。
ここまで3回えび座を観てきて、考えたことがあるので、今日はそれを。


A.B.C-Zさんたちには悪いんだけど、えび座は舞台の質としてはそんなに高くないと思うんですよ。アドリブが長すぎて芝居のテンポが止まったりとか、いやいやそこ笑う所じゃないだろ!って所で笑ってるJr.がいたりとか。でも、逆に言えばアドリブを仕掛けるえびさんも、笑いあってダンスにならなくなっちゃってるJr.たちも、物凄く仲が良さそうで可愛い。それを見るのが楽しい。良くも悪くも内輪向けなんですよね。だから内輪(=ジャニオタ)である私みたいな人間は1回じゃ物足りない!って思ってしまう。
それと全く正反対の位置にあるのが、今帝国劇場で行われている堂本光一くんの「SHOCK」なのではないかなと思います。SHOCK観たことないから、人から聞いた話と偏見だけで物を言ってるんですけど、SHOCKのカンパニーって毎年物凄くストイックなイメージ。どの回を観に行っても満足出来るだろうし、満足させなきゃいけないという意識が座長である光一くんからビシビシ伝わってくるから、外部(=ジャニオタ以外)の人が見ても満足出来るものに仕上がっているのではないでしょうか。
そして、昨日から上演が始まった関西ジャニーズJr.桐山照史くん出演の『ビューティフル・サンデイ』。これはジャニーズの舞台ではなく、別の演出家さんがいて、別の事務所の役者さんたちと一緒に芝居をする、いわゆる“外仕事”です。こういう舞台では、出演している個人が「ジャニーズ事務所」の看板を背負って仕事をしなきゃいけないから、プレッシャーも大きいはずなんですが、Twitterなどで感想を見る限り、照史のことを知らない人が「浩樹役の役者さん凄く良かったけど、何ていう名前なんだろう?」って呟いたりしていて、おおむね好評のようです。

ABC座、SHOCK、そしてビューティフル・サンデイ。全く対象の異なる3つの舞台が、有楽町近辺で同時に行われているというのは、なかなか面白いですね。


で、話を戻しまして「えび座が内輪向けだ」という話。「アイドルの内輪向けの公演」というのを考えた時に、AKB48の「劇場公演」のことを思い出しました。
私はAKB劇場に行ったことがないので、これも憶測で語るしかないんですが、AKBにとっての劇場もやっぱり物凄く「内輪向け」の舞台ですよね。まだ満足にパフォーマンス出来ない研究生たちが、先輩の前座で歌ったり、また「研究生公演」といって正規よりも安い値段で公演を行ったり。やっぱりパフォーマーは人から見られることで大きく成長するものでしょうから、このシステムは上手いなと思います。ファンの方もそれを理解していて、よく言う「愛のあるダメ出し」みたいなものを研究生にしたりするんでしょう。そして、研究生は正規メンバーになり、いよいよ劇場のキャパシティに収まりきれないくらい大きくなったら「卒業」していく。この「卒業」のシステムがうまく機能せず、今のAKBは「正規メンバーへの昇格」がイコール「卒業」に近いものになってしまっているのかなと思いますが、このシステムがうまく機能すれば、AKBのシステムとジャニーズのシステムは綺麗に重なると思うんですよ。つまり、研究生=ジャニーズのレッ生(レッスン生)*1、正規メンバー=ジャニーズJr.、卒業したメンバー=デビュー組、というように。


そこで、AKBの正規メンバーとポジションが似ているジャニーズJr.が内輪に向けて行うえび座。厳密にいうとA.B.C-Zはもうデビュー組な訳ですが、先程も言ったようにAKBは卒業システムがうまく働いていないため、「超選抜」とか「神7(8?)」とか呼ばれる上位メンバーが実質卒業生(=ジャニーズでいうところのデビュー組)みたいなものだと考えられます。だからデビュー組(≒超選抜)とJr.(≒正規メンバー)で行う舞台、というのはやっぱりAKBの劇場公演に似てるんじゃないかな。私は初めてえび座に入った時、特に2部のショータイムを見て「毎日見られる少年倶楽部みたいだな」と思ったんですが、そもそも少年倶楽部が「テレビで見られる劇場公演」なのかも知れない。そこでは「ショービジネス」というシビアな考え方は全く不要で、ファンも本人たちも「成長のため」と割り切って舞台を楽しめます。もちろん、座長であるえびさんたちには私には計り知れないくらい大きな決意や責任があると思うので、ここでいう「成長のため」はJr.に限ったことです。今はえびさんたちの後ろで踊るばかりのJr.たちも、いつかはデビューして外の世界で働くことになる。男の子の成長は早いから、きっとその時が来るのは私たちが思っているよりもずっとあっという間で、それまでのほんの僅かなとうめいな期間を、彼らはNHKホールや日生劇場といった小さな箱庭で、傷ついたり傷つけあったり立ち直ったり仲直りしたりしながら過ごしているんでしょう。


昨日のえび座は、ド上手の前列のほうで観劇したので、下手の袖の中がまるっと見える位置でした。自分が出演していない時でも袖の内側で曲に合わせて踊っている子、MCを聞いて爆笑している子、ちびっこたちが自分たちで声をかけあってわちゃわちゃしながらスタンバイする姿、色んな舞台裏を覗いてしまいました。どんな子でも一歩舞台に上がると途端にキリっとした顔つきになって、人に見られることを意識しているのがかっこいいなと思いました。あの舞台に立っているJr.の、全員の夢がいつか叶いますように。ABC座スター劇場が、いつかスターダムに駈け上る彼ら全員の、出発地点でありますように。綺麗事ですが、昨日からずっとこんなことを考えています。



お星さまありがとうございました。

*1:レッ生も今どういうシステムで機能してるのか知りませんが…ジャパハイ結成の時に「ジャニーズJr.ではないレッスン生で結成された」って言われてたので、未だに「ジャニーズJr.」の下にいる子たちもいるということだよね?